案内の駒札 |
元祇園梛神社から一筋南、壬生寺は町中ながら一町歩ほどの広い境内を有する。
境内には様々な建物があり、本堂は元より、狂言堂や神社まで非常に多彩である。
筆者はずいぶん昔、この近くの染め工場に通う用向きがあり、昼にはこの境内で、よく休ませて頂いたものだ。その懐かしさもあって、ぜひとも立ち寄ってみたかった寺院である。
以前は南側から入っていたが、今回は行儀よく正門からである。
境内に入るとすぐに右に鳥居のあるお堂がある。江戸初期、託願上人の夢枕に立った菅原道真が「壬生の地に我を祀るべし」と、告げられたのが始まりとされる。
道真公が太宰府へ左遷の折、この辺りに親戚を訪ね、一夜を明かした、という故事に由来するらしい。
鳥居があるので神社かと思われるが、どう参拝していいのか少々戸惑ってしまう。 |
東門 |
東門(正門)、高麗門となっている |
一夜天神堂 一夜天神、金毘羅大権現、六所明神を合祀
|
一夜天神堂 扁額には天満宮とある |
境内案内図 |
一夜天神堂 鈴ではなく鰐口がかかっている。 |
阿弥陀堂 阿弥陀三尊を祀る 傍に夜啼き地蔵 |
|
夜啼き地蔵 |
この先塔頭になっており、中院や阿弥陀堂などが並ぶ。
また、至る所に石仏があり、その数、約三千体といわれる。
その一部の石仏は、八月下旬に京都市内各地で行われる「地蔵盆」に貸し出し地蔵として、貸し出される。
中でも「夜啼き地蔵」や「水掛地蔵」が有名で、参拝者が後を絶たない。それもそのはず、本堂に祀られているご本尊は「延命地蔵菩薩像」である。
後先になるが、壬生寺は壬生寺は正暦2年(991)、園城寺(三井寺)の快賢僧都によって創建され、南都六宗の一つである律宗に属している。
その後火災により堂宇や多くの寺宝が焼失するが、律宗の総本山「唐招提寺」より本尊延命地蔵菩薩立像が移されたとされる。 筆者も数多の寺院へ参詣しているが、ご本尊が地蔵尊なのは記憶に無い。 |
石畳の奥に本堂が見える |
中院 十一面観世音菩薩を祀る |
弁天堂 |
水掛地蔵堂の駒札 |
水掛地蔵堂 |
地蔵堂隣 方丈池(弁天池)の龍神 奥が壬生塚
|
境内 本堂 |
水掛地蔵 |
|
|
千体仏塔 |
延命地蔵菩薩経に説かれる十種の幸福
延命地蔵菩薩経と地蔵菩薩のはたらきにより
一、女人泰産(安産を授かる)
二、身根具足(丈夫な体を授かる)
三、衆病悉除(病気が平癒する)
四、寿命長遠(長生きを授かる)
五、聡明知恵(知恵を授かる)
六、財宝盈溢(金持ちになれる)
七、衆人愛敬(誰からも敬愛される)
八、穀米成就(穀物が実る)
九、神明加護(神々の加護が得られる)
十、大菩提証(偉大な悟りを得て極楽に行ける)
さらに八つの恐怖を取り除くとされる。
日本国内には全国至る所にお地蔵さんが祀られているが、この功力をみれば崇敬されるのも頷ける。 |
|
|
三福川(みぶがわ)稲荷堂 |
ご祭神は三福川大明神だが、吒枳尼天か宇迦之御魂大神?? |
大念仏堂(狂言堂)の門
|
本堂の隣には千体仏塔があり、約3000の石仏のうち1000体がパゴダのように祀られている。
平成元年に改築されたと記されているが、筆者の記憶ではたしか、以前は平地に立っていたと思う。また、境内ももっと素朴だった印象がある。
壬生寺境内東方にある池の中の島は、壬生塚と呼ばれ、幕末の新選組隊士の墓などがある。
新選組局長近藤勇の胸像と遺髪塔、暗殺された芹沢鴨・平山五郎の墓・河合耆三郎の墓の他、隊士七名が葬られている。
さらに歩を進めると、本堂北側に「壬生狂言」で有名な大念仏堂がある。定例公開は、春・秋・節分の3回となっているが、演目がなかなか興味深い。三十番の演目があるとされ、一部を下記に紹介する。
愛宕詣り・大原女・賽の河原・玉藻前・ぬえ(鵺)など |
|
なかなか興味深い演目であり、一度は鑑賞してみたいものだ。
久しぶりの壬生寺だったが、寺に来たのか神社に来たのかよく分からない印象だが、地蔵さまや石仏が狂言と相まって、すごく庶民的な親しみを感じる。
・・さらに新撰組となると時代博物館の赴きすら感じる。
► 次の目的地 → 武信稲荷神社
続けてご覧になる方は下記か上を選択して下さい。
トリップ
19 2016/1/4 ルート履歴 ► 京都・四条通方面 |
▼
四条通・錦小路通 京都市下京区・中京区
▼
火除天満宮 京都市下京区寺町四条下ル貞安前之町613
▼
京都大神宮 京都市下京区新開町397
▼
神明神社 京都市下京区高辻通室町西入ル繁昌町
▼
佛光寺 京都市下京区高倉通仏光寺下ル新開町397
▼
日吉神社 京都市下京区室町通仏光寺下ル山王町534
▼
繁昌の宮 京都市下京区高辻通室町西入ル繁昌町308
▼
菅大臣神社 京都市下京区仏光寺通新町西入菅大臣町187
▼
大原神社 京都市下京区綾小路通室町西入る善長寺町135
▼
京都神田明神 京都市下京区新釜座町722
▼
火尊天満宮 京都市下京区風早町559-1
▼
天道神社 京都市下京区仏光寺通猪熊西入西田町615
▼
元祇園梛神社 京都市中京区壬生梛ノ宮町17
▼
壬生寺 京都市中京区壬生梛ノ宮町31
▼
武信稲荷神社 京都市中京区今新在家西町38
▼
中山神社 京都市中京区岩上通六角下ル岩上町748
▼
越後神社 京都市中京区醒ヶ井通六角通上ル
▼
大神宮 京都市下京区間之町通松原上る稲荷町
▼
錦天満宮 京都市中京区新京極通四条上ル中之町537 |
|
大念仏堂(狂言堂) |
|