真正極楽寺赤門前に社標と鳥居
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金戒光明寺北門から真正極楽寺の北側を回り込み、白川通側の日吉神社へ向かう途中、真正極楽寺赤門の手前に鳥居を見つける。 玉垣で囲まれた境内は、いかにも神社だ。だが、社標には吒枳尼天と記されている。
地図にも記されてないし、興味深いので立ち寄る事にした。
境内は神社の造りそのもののようで、末社らしきものもある。
後で調べてみたのだが、ご由緒等は不詳で資料となるものは殆どない。
神仏混淆の寺院と思われるが、そもそもご祭神は渡来神である。
しかし、よくよく考えてみれば神道系の神を除き、仏教の神や道教の神等、身近に如何に渡来神の多い事か。
稲荷神であっても今回のように宇迦之御魂神とは限らない。
仏教寺院で祀られる稲荷神はその殆どが吒枳尼天である。
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拝殿 もとい休所 |
鳥居と奥にご本殿(本堂)
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本殿(本堂) 拝所 |
ご祭神等 不詳である |
青面金剛尊 |
●吒枳尼天
荼枳尼天(だきにてん)は日本では仏教の神であり、元はインドのヒンドゥー教に由来する。屍林をさまよい、敵を殺し、血肉を食らう女鬼・夜叉女とされる。
その後インド仏教に取り入れられ、大黒天に帰依させられた後、自由自在の通力を授かる。生きた人間の心臓を貪る事を止められ、代わりに6ヶ月前に人の死を知り、死ぬまではその人を加護し、死の直後に心臓をとって食べる事が許された。
日本では真言密教に取り入れられ、胎蔵曼荼羅に配され、閻魔天の眷属となる。
時代を経て狐に股がった吒枳尼天が出現するが、元々のインドにおいて吒枳尼天は屍肉を食らうジャッカルに例えられ、神使となったものが、日本では狐に置き換わったものと推定される。この狐が縁で日本の稲荷神と習合することになる。
日本では仏教由来のため、その殆どが仏教寺院で祀られる。有名な寺院では豊川稲荷がある。また、吒枳尼天(法伝寺)に祀られる吒枳尼天像は日本最初とされる。
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青面金剛尊 |
●青面金剛尊
日本仏教における信仰対象の1つ。青面金剛明王とも呼ばれる。夜叉神である。中国の道教思想に由来し、日本では民間信仰である庚申信仰の中で独自に形成される。
庚申信仰においては三尸(さんし)を押さえる神として本尊とされる。
現在でも日本各地に庚申会が見受けられ、夜通しで酒宴をして眠らない講などが続いている。眠らないのは三尸がその人の悪事をすべて天帝に報告に行く事を防ぐためと云われる。
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桜の頃は大変美しいらしく隠れたスポットとなっている |