鴨川 |
京都御所は年二度の一般公開の度に、かねてから行きたいと思っていたが、今回は決意して、とうとう足を運を運ぶ事にした。
あいにくの雨模様だが、滅多に見れるものではないので、構わず決行。
京阪出町柳で下車、徒歩十五分ほどで京都御苑だ。
御苑の中、北側に位置する。
ちょうど桜の季節であり、あちこちに見かける桜が、華やかな気持ちにさせてくれる。雨とはいえ、大変いい感じだ。
京都御所は、南北朝の合以後、正式な皇居となって明治2年(1869年)、明治天皇の東京行幸時まで550年に渡り内裏とされた。建物はその間、火災等により、幾度もの建替えが行われている。
また、東京行幸後には著しく荒廃し、明治天皇は「京都御所を保存し旧観を維持すべし」と宮内省に命じている。
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広大な京都御苑 |
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京都御所の築地塀と北東角の鬼門封じの猿ヶ辻 |
一般公開の内容は下記の通りです。
京都御所春季一般公開 (宮内庁HPより)
1 期間
平成27年4月3日(金)から4月7日(火)までの5日間
2 入門時間
午前9時(開門)から午後3時30分(閉門)まで
3 参観者は,宜秋門から参入し,清所門から退出することになります。
(清所門の最終退出時刻は,午後4時15分です。)
4 展示
建物 |
展示内容 |
御車寄 |
六曲屏風 墨絵山水 (筆者 狩野安信) |
新御車寄 |
扉・ガラス窓開放 |
回廊(西側) |
生け花(総本山仁和寺の御室流,御寺泉涌寺の月輪未生流,大本山大覚寺の嵯峨御流) |
春興殿 |
扉・半蔀開放(内々陣御簾) |
紫宸殿 |
高御座た・御帳台,西唐戸開放 |
清涼殿 |
釣灯籠5基 |
大臣宿所 |
萬歳旛,日像纛旛,月像纛旛,大錦旛(霊鵄形,頭八咫烏),御菅蓋 |
小御所 |
人形(舞楽)展示(万歳楽2体,五節舞2体)※雅楽演奏 |
御学問所 |
遣戸・障子開放 |
御常御殿・東側 |
東側 遣戸・障子開放 |
御常御殿・南側 |
遣戸・障子開放 |
一の間 |
掛け軸(竹に亀,寿老人,松に鶴) 筆者 狩野 |
※参観順路からは,各御殿の障壁画がご覧いただけます。
なお,一部の御殿については,LED照明を設置しています。 |
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御車寄 |
御車寄 |
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諸大夫の間、墨絵山水 |
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宜秋門で手荷物等のチェックを受けて、いよいよ御所内へ入ります。
すぐに目に入るのが「諸大夫の間」と「御車寄」で、墨絵や屏風がよく見えるように開放されています。
「御車寄」は宮廷に勤める人々が、宜秋門で履物を履き替え、歩いてここから参殿したとの事です。
「諸大夫の間」は参殿した者の控えの間で、 身分の違いによって部屋が分けられている。ふすま絵によって部屋の格式が違うとの事。 ※下の図は宮内庁HPより
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建礼門 |
日華門 |
春興殿 |
御菅蓋 |
大臣宿所、萬歳旛,日像纛旛,月像纛旛 |
紫宸殿と左近の桜 |
大臣宿所、大錦旛(霊鵄形,頭八咫烏) |
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つづいて、回廊沿いに進むと、大臣宿所がある。
色々展示物があり、間近で見る事が出来る。
上の写真の、錦の御旗。図柄には八咫烏や金色の鵄など、古事記に登場するキャラクターが刺繍してある。
これは今上天皇の即位の礼に使われた旗ではないだろうか。
実物を見れるとは感激である。
さらに右奥には春興殿があり、扉が開放してある。
そして日華門から紫宸殿のほうへ向かう。日華門をくぐると、今迄写真でしか知らなかった紫宸殿が目の前にある。寺院でもない。神社でもない。御所御殿である。
大きな建物だ。左右には「左近の桜」と「右近の橘」がある。ひな飾りそのものではないか。
紫宸殿奥には高御座と「御帳台」が見える。
建物は寝殿造りを基本に復古様式を取り入れていて、板張りの床や天井板を張らない化粧屋根裏など、簡素な造りに見えるが、美と歴史・伝統に基づく、粋をこらした殿堂である。 |
紫宸殿と右近の橘 |
清涼殿へ |
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清涼殿の継ぎ目 |
清涼殿 |
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紫宸殿の次は清涼殿へと続く。
清涼殿は元々は天皇の居住の場であったが、お常御殿が造られてからは執務と儀式の場となっている。
紫宸殿と違い、生活の場であったため、部屋が沢山間仕切られており、今回も生活の調度等が見て取れる。
そして、奥には、御湯殿やお手水など、生活感のある部屋が並んでいる。
清涼殿を出ると、御池庭及び小御所である。寝殿造から、武家造りへ移行する時期の建物である。
幕末の「王政復古の大号令」が発せられた建物です。 小御所には今回のために、雅楽装束の人形が設えてあり、宮廷文化の雅やかさを表現している。
また、背後の青を基本とした襖のデザインがとても美しい。 |
小御所、人形(舞楽)展示(万歳楽2体,五節舞2体) |
御学問所 |
御常御殿 |
御常御殿 |
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御池庭 |
コースの最後は、御学問所とお常御殿だ。
御常御殿は、天皇の普段のお住まいの場所で、畳を敷き詰めた書院造のお部屋が、大小15間もある。
今回はふすまが開かれ、室内のふすま絵がよく見える。
最後に御学問所であるが、これは皇太子が学問を修するための御殿と言う事だ。
一通り見終えて、期待した通りの宮廷建築や文化を、しっかり堪能させて頂いた。
・・そうそう、言い忘れていたが、御池庭であるが、これも相当に美しい庭園であった。見事な日本庭園で、優雅でゆったりとした安らぎを感じる。
この庭だけでも、宮廷ならではの贅沢感を醸している。 |
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次の目的地は特に決めていなかったのだが、行った事のない神社と言う事で、下鴨神社に決定。
►次の目的地 → 下鴨神社「賀茂御祖神社」
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